青山高原ーロードスター(中編)

突如、山中に現れた使われなくなって数十年たった駅。
この駅を含む旧線には悲しい歴史があるようです。
ネットで「近鉄旧青山駅」で検索していただくといくつものサイトに紹介されています。
簡単な概要は以下のとおりです。


昭和46年10月に制動不能となった名古屋行き特急列車が総谷トンネルの壁に激突、
その後に難波・京都行き特急と正面衝突する事故が発生しました。
この区間(榊原温泉口~伊賀上津間)は以前から複線化の案があったらしいのですが、
事故がきっかけで別ルートで複線化を実施して昭和50年11月22日に旧線は使用停止
となりました。


それでは駅の探索に行ってみましょう。



まず、駅跡の全景。こちらは名古屋方面へ向かった画像。
手前のホームは上りと思われます。緑に覆われてこの画像では見えにくいですが旧線は
すぐトンネルに入っていきます。





こちらは大阪方面の画像。ホームの先のコンクリートが敷かれた部分は廃線後に
水路を造った為に出来たそうです。なので当時のホームはもっと先まで続いていたそう
です。実際この後の探索でこのホームの続きの部分を発見しました。





かつて線路だった所から大阪方面を見た画像。当時敷かれていた線路の砂利はいまだに
残っています。





駅構内の溝をふさぐために枕木が使われています。





線路跡を名古屋方面へ進んでみます。




トンネル入り口がみえてきました。





思ったより中は奇麗な感じです。
非常に暑い日でしたがトンネルからは涼しい風を時より感じました。
一応立ち入り禁止な感じですが柵は取り外されており鎖一本張られているだけの状態
なので勇気があれば進入可能です。
廃墟系のサイトを見るとトンネル内部まで探索されている方をよく見かけますが
私にはそんな勇気も気合もありませんので外から眺め写真撮影だけをします。





トンネル上部に取り付けられた碍子。かつて電車が往来していたことが伺えます





天井から垂れさがるいくつもの鍾乳石のようなもの。永い年月の営みを感じます。






トンネル入り口から駅ホーム方面をみた画像。
ここから大阪方面へ線路にそって進んでみます。





大阪方面に向かって右側に山の斜面の緑にうずもれる感じでつぶれた売店跡があります。
その裏手にはせせらぎが流れています。






その売店の前には当時の冷蔵庫が朽ち果てる寸前で倒れており周りには当時の空の瓶
が散乱しております。





ファンタの瓶。これはそんなに珍しくないですがその横にある「森永ツイスト」。
聞いたことないですね。昭和50年の廃線ってことは私3~4歳ってことです。
そのころからこの瓶たちはここで過ごしているのですね・・・
このファンタを飲み干した方は今どこで何をしているのでしょうか?
この瓶たちはこのまま、まだあと何年も何十年もここにあり続けるんでしょうね・・・・





ホーム上を大阪方面向かって歩いていきます。





ホームを下りて下側を見た画像。
なんとホームは枕木とレールが組み立てられでその上にコンクリートは敷かれいるよう
です。ただし造りはしっかりしているらしく歩いていても何も不安はありません。





ホームを過ぎると木々がうっそうと茂っている中を廃線跡は進んでいきます。
うっそうとした林の中はかなり暑く全身から汗が噴き出します。
しかしどこからともなく時より非常に冷たい空気を感じます。






すると線路跡の下をせせらぎが流れています。
「そうかこのせせらぎから涼しい風が流れてきているんだな~」
そう関心しながら林の中の廃線跡を進みます。





錆びて朽ち果てた梯子のようなものと碍子。
しかしさっきのせせらぎを過ぎてからも冷たい冷気が流れてきます。
それもさっきより多量に感じます。
この辺りでなんとなくうすうす気付きます。





でました、これが青山トンネルです。
冷気はここから噴き出しているようです。しかも尋常じゃない冷気です。





トンネル入り口で中の様子をうかがいます。
写真ではある程度の中まで確認出来ますが実際入口の前に立つとトンネル内部は
漆黒の闇です。恐怖すら感じます。





トンネルから噴き出す尋常じゃない冷気を全身に浴びます。体感では20℃をも下回って
いるのじゃないかと思います。冷気は白いもやとして出てきます。しかも自分が吐く息
は白く、汗ばんだ体からは蒸気が出ているのが確認出来ます。
先ほどまで30℃以上の気温の中での行動で全身汗だくの状態でしたのでこの冷気は
気持ちいいはずですがこのトンネルを間近にすると冷気が霊気に感じるようで鳥肌が
立ってきます。
かつてのトンネル事故はこの青山トンネル内でブレーキの故障した列車が下りこう配を
制動不能状態でここより手前の幾つ目かのトンネル内で対向列車と衝突したようです。
私、霊感なんてのには無縁だと思っていますがこの歴史を知っているのでなのか
あまりいい気分ではなかったので足早にここを立ち去りました。






勢いのある新緑の中、人が消え、建造物だけ残ったこの空間、寂しさを感じますね





廃駅の横を奇麗な水の流れる水路が通っています。






廃駅の横から林道が伸びています。






林道わきにある洞窟のような穴。





林道は駅を過ぎてもまだ続いています。
林道わきの柵はレールで造られていますね。






やがて大きな堤防のような建造物が出現。これも苔の生え方からすると
かなり歴史がありそうです。
堤防の階段を登ってみます。






堤防の上からの画像。
どうやらこの堤防は上流からの川の流れを廃駅の横を流れる水路に導く為の
物のようです。
想像ですが当時ここに駅を造るにあたって駅への水害を防ぐために造られた
ダムのような堤防ではないでしょうか?大雨などで川が増水したら林道が通っている
ゲートを閉めたのでしょうね。
ちなみに林道はまだこの先に続いていました。まだ探索したい気もありましたが
時間的な余裕もあまりないために本日の所はここまでで車へ戻ることとします。
またいつかMTBでこの周辺を探索したく思い駅をあとにしました。


その後家に帰って再度ネットで旧青山駅関係のサイト見ておりましたらこの林道を
もう少し進むと旧変電所の跡があったそうです。またそれも含め再度訪れたく思います。







車に戻り、再度国道165号線を西に向かって進み青山高原を目指します。
電光掲示板での気温の表示32℃です。完全に夏です。しかしこの気温のなかでの
あの青山トンネルの冷気はやはり想像を絶しますね。


寄り道はこれくらいで、次はいよいよ青山高原です。続きは(後編)で


お楽しみに~。



続く



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