槍ヶ岳ーTREK(Part4)

翌朝4:30起床



昨晩も一晩中山荘周囲を吹き抜ける強風の轟音が響いており何度も目を覚ましました。
起床後窓の外を確認しますが昨日と全く状況変わらずです。


という事で非常に悔しいですが槍ヶ岳への登頂を断念することに決定します。


着替え、荷造りをして朝食を待ちます。




5:30
朝食の時間です。
昨晩、ご飯いただいたキッチン槍での朝ごはん。
ご飯いただいている最中も外は強風吹き荒れ雨も降っています。
食事をいただきながら下山ルートを考えます。


というのは天気良ければ上高地へ下る槍沢ルートで下ろうと当初から決めて
いましたが、超が付くほどの悪天候です。
そんな悪天候の中を上高地までの長距離を歩くのもしんどいので、やっぱり昨日
登ってきた飛騨沢を下るほうが良いか悩みます。


食後に談話室のTVの天気予報を見るとどうやら下界は晴れている予報です。
ってことで下山ルートを上高地へ向かう槍沢ルートに決めました。


槍ヶ岳への登頂は出来ませんでしたが、上高地へのルートを楽しもうと思います。




こちらは朝食後にいただいたお弁当です。
なんとか無理やりザックに押し込みます。





6:15
レインウエアーを着込んで出発です。
山荘周辺は昨日同様に暴風とガスに包まれています。





上高地へ向けて下山です。





ガスに包まれて10m先の景色も霞んでいます。
出発前にこのような悪天候で初めてのルートの下山なので注意するところは無いか
山荘のスタッフに聞いたところ、途中に幾つかの雪渓上を通過する所があるとのこと。
「軽アイゼンかストックは持ってますよね」ってさらっと聞かれました。
「いや持ってません・・・」と私が言うと、
「じゃあ気を付けてくださいね、滑落したら怪我しますよ」と言われました。
ちょっとビビりましたが、やめた方が良いとは言われなかったので何とかなる
レベルなのだろうと判断しました。





5分程下ったところで振り返って見上げると、槍ヶ岳山荘のシルエットが
見えました。





相変わらずの強風でガスが濃くなると5m先の景色も霞んでしまいます。





道標が出てきました。
西岳方面へとつながる東鎌尾根への分岐です。





雪渓が出てきました。





大小の岩が点在するルートです。





殺生ヒュッテへの分岐を通過。





いよいよ雪渓を横断するところが出てきました。





恐る恐る足を置いてみます。
表面はシャーベット状で慎重に進めば問題なさそうです。
姿勢を低くして一歩一歩確実に歩みを進めます。






無事渡り切りました。(振り返った画像)
渡って見ると大したこと無かったという感じでした。






心配した雪渓の横断も問題なく通過出来安心してその後のガレ場を下って行きます。







この槍沢ルートは昨日の飛騨沢ルートよりも雪渓は多いですね。




この雪渓なんとなくフェニックスのように見えませんか?





暫く進むと今度は結構大きな雪渓が出てきました。
まさかこれを横断するのか~?とビビりながらルートを探します。





よーく、雪渓を見ているとかすかな踏み跡が見えてきました。
どうやら横断というよりは雪渓上を麓向きに下って行くようです。
画像中央やや左の雪渓上の大きな岩の脇にピンクリボンの付いた竹が設置されています。
距離にして4~50mの雪渓上を下って行くルートのようです。
距離が長いので途中で滑落したら結構な勢いでガレ場に突っ込んでしまう事態に
なりかねません。
なので非常にゆっくりと一歩一歩進んで行きます。





無事、渡り切りました。
下りてきた雪渓を振り返った画像。上の岩のすぐ横を通って下りてきました。
斜度は結構あるので非常に怖い思いをして下ってきました。
今年は例年に比べ雪は少ないと聞いていましたがこんなに雪渓が残っているとは
思いませんでした。
7月中にこのルートを通る場合は軽アイゼンは必需品のようです。





スキー出来そうなくらいの雪渓ですね。
昨日は雪触って喜んでいましたが、今は喜べません・・・






雪渓地獄を通りぬけたら下界の方の景色が見えてきました。





途中にお地蔵さまが祀られた洞窟のようなところが出てきました。






「播隆窟」と言われる岩屋だそうです。






標高がさがってくるとガスも晴れてきました。






前方の山は赤沢山と思われます。







ハイマツが出てきました。
強風も収まってきました。





またもや雪渓横断ポイントが出てきました。





ここは問題なく通過。






雪渓の雪解け水が小さな流れになって行きます。




高山植物の脇をちょろちょろと小川が流れて行きます。






どんどん登山道を下って行きます。






「滝見岩」と書かれた大きな岩が出てきました。





滝見岩から見える向かいの斜面にある滝。





幾筋かの滝が見えます。
それぞれの滝は雪渓の雪解け水でしょうね。






天狗原への分岐を通過。





振り返ると山の上部は相変わらず雲の中のようです。






雪解け水で始まった小川が幾つも集まりやや大きな流れになり、雪渓の下へ
流れ込んで行きます。






その雪渓にクレパスがあります。




雪渓の端が崩れてきています。




雪渓の下を勢いよく流れる雪どけ水が見えます。





雪渓の下から流れ出した一筋の流れが川となって麓へ向かって行きます。





そのわきを登山道は下って行きます。




来た道を振り返った画像。幾つもの雪渓が見えますね。
天気良ければ最高の景色なんでしょうね。




8:25
水俣乗越分岐を通過。山荘出てから2時間10分。
雪渓を通過するのにちょっと手こずりましたがほぼ下りの標準タイムです。





上空に荷物を吊り下げたヘリコプターが大きく旋回しています。
場所的にヒュッテ西岳にでも荷揚げしているのでしょうか。
しかし上空は結構な風吹いていると思われるので大変な作業でしょうね。





川に沿って下って行きます。





川の流れも大きくなってきました。






対岸の斜面にも幾つか滝が見えますね。







川幅はかなり広くなってきました。





白樺の林の中を向けて行きます。






8:50
ババ平のキャンプ場へ到着。





人がいるかどうかは分かりませんでしたがテントがひと張り張られていました。





テント場の風除けの為なのかL字の石垣が造られています。
そこにハイジでも出てきそうな小さな扉があり非常に気になりました。


で、我慢できず開けてみると・・・


なんてことは無い、ただの資材置き場になっていました・・・






最近出来たばかりっぽいトイレがあります。





有料トイレのようです。
開けてみたらヒノキの良い香りが漂っていました。
このトイレなら有料でも納得できますね~。





その後も大きな崩落現場を抜けて下って行きます。





登山道脇に「槍見」と書かれた岩があります。
確かに背景には槍ヶ岳のようにとがった岩山が見えますね。





登山道が突然開けると山荘が見えてきました。





9:30
槍沢ロッヂに到着。
ロッヂ前のベンチでちょっと休憩させていただきます。





ロッヂ前に流れる槍沢。勢いのある流水音が響いてきます。
こんなロッヂで泊まれたら気持ちよさそうですね。





5分程休憩の後、出発します。
横尾まで4km、約一時間半。そこを次の休憩ポイントにして歩きはじめます。



少々長くなってきましたので(Part5)へ続く。


お楽しみに~。



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